■免震建築のススメ

ダイナミックが免震をすすめる理由

ダイナミックデザインは、免震構造・制震構造を専門とする構造設計事務所です。
ダイナミックは、なぜ免震構造をススメるのか。
なぜ在来構造建物は設計しないのか。そして、ダイナミックはどのような免震を設計するのか。
建築の設計について私達はこう考えています。

1.耐震設計とは

「大地震に対して安全な建物を設計すること」だと思います。建物は倒壊しなくても、地震直後に病院が使い物にならなかったり、マンション生活がマヒしたのでは、耐震設計は失敗だと考えます。

2.建物の安全とは

地震によって建物が倒壊しないだけでは不十分です。
・死者は勿論、負傷者も発生しないこと
・機能が維持され、地震直後にも使用できること
・家具が転倒したり設備機器が破損せず、収容物や2次部材共に健全であること
・修理を必要とせず、資産価値が保全されること
これらを達成できるのが地震にも安全な建物です。

3.実際の地震動は

非常に厳しく、強いことが判ってきました。
2千万トンの構造物をゴミにした兵庫県南部地震や米国ノースリッジ地震では共に、最大加速度 800ガルから1000ガル、最大速度は90から100cm/s以上 という地震動が記録されました。このような強烈な地震動に対して、建物を安全に設計することは生易しいことではありません。


95年阪神大震災の傷跡

4.中低層建築は免震でしか救えない

日本の建物の殆どは10数階以下の中低層建物であり、周期1秒以下の短周期構造物です。短周期構造物の最大応答加速度は地動の2倍〜3倍には増幅されます。ベースシア係数が 1.0を大きく超える地震力に対して一般建築物を耐震設計することは不可能です。
しかし、免震構造を採用すればベースシア係数を
0.2 前後に抑制でき、苦しかった耐震設計がはじめて現実的なものとなります。免震なら、最も厳しい地震応答に晒される中低層建物を救えます。しかし、免震と名が付けば、全て安全というわけではありません。免震建物の安全性も設計次第です。

5.どのような免震をめざすか

構造物の重要度や設計内容に応じて地震動の強さが変わるわけではなく、ましてや設計の相場に合わせてくれるわけでもありません。現実の地震動が設計相場よりはるかに厳しいとすれば、それは設計用地震動の設定を変えるべきだと考えますす。
95年12月ダイナミックデザインは、最大入力度 Vmax=100cm/sの地震動に対して無損傷という「明大前マンション」を設計。96年11月には新評定システムにおける耐震性能最高ランク「C4-A」の第一号建物(図1)を達成しました。
ダイナミックデザインは、設計条件の許す限り常に最高の安全性能を目指したいと考えます。性能を徹底的に追求することにより、経済的にも有利で優れた建築空間と機能を兼ね備えた建物を実現できると信じます。
自然環境と調和した安全で豊かな都市と社会資本を築くために、創意工夫と情熱をもって魅力溢れる免震建築の実現に寄与したいと願っています。


C4-A達成第一号建物