■免震建物の地震時性能 ― 直下型地震に遭った免震病院 ― |
免震構造の目標は「大地震に対して建物もその中身も共に無損傷で守る」ことです。実際の地震でこの目標が達成された成功例はあるのでしょうか。 |
1.地震動の強さ |
ロサンゼルス中心部での地動の最大加速度は0.25G〜0.50G程度に達し、より震源に近いサンフェルナンドバレー地区の地盤上(震央距離 7km)で水平1.82G、鉛直1.18G が、オリーブビュー病院(震央距離15km)の敷地地盤上で水平 0.91G、鉛直0.60Gの加速度が記録されています。(CSMIP Report) |
2.その時、「在来耐震構造病院」では |
オリーブビュー病院は、1971年のサンフェルナンド地震で大被害を受け倒壊したため、敷地を移して10年後に建て替えられました。耐震壁を病院印の十時型に配置した6階建て病院で、1階での水平最大加速度 |
3.その時、「免震構造病院」では |
ロサンゼルス・ダウンタウンの北東約 5Kmの位置に、USCメディカルセンターという大学病院の一大医療センターがあります。その中に「USC免震病院」と言う当時世界で唯一の 8階建て免震病院がありました。 敷地表面で 0.49G、免震装置直下で 0.37Gの水平最大加速度を受けましたが、建物の最大加速度は屋上で0.21G、1〜7Fではわずかに0.10G〜0.15Gと、免震効果がみごとに発揮されました。 |
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