■免震・制震構造の役割 -構造物と都市建設の方向性- |
1.神戸を破壊したエネルギー |
阪神大震災は2000万トンの廃棄物を生み出しました。いくつかの強震記録を基に構造物に投入されたエネルギーを等価速度換算で VE=300〜400cm/sと想定すると、水量で215トンから382トン、即ち 25mプール1杯の水を沸騰させるエネルギーであれだけの被害がでたことになります。 |
2.都市と構造物は社会資産である |
都市は私達の人生を演じる舞台であり、先輩から受け継ぎ後輩に伝えてゆくべき共有資産です。都市を構成する個々の構造物も大切な社会資産であり、その建設と維持保全・建て替えは連綿と続く多くの世代に対する責任を負った行為です。 |
3.免震構造による建築ストックの蓄積を |
日本が地震国であるが故にこれまで建築物をストックできなかったとすれば、その問題は既に免震構造によって解消可能になっていると言わねばなりません。 厳しい地震動の実態をよく認識し、世紀オーダーの歴史認識と資源・エネルギーや地球環境に対する視点をもって免震構造物の設計・建設に取り組めば、地震国日本にも大地震の再来期間を超えて豊かな都市空間を築くことが可能です。近視眼的な目先の金儲けから、より高い倫理的視点にプロジェクト推進のモティベーションを高めたいものです。 |
4.21世紀の生活空間の課題 |
科学技術の発達と経済的繁栄、戦争や飢え、各種の災害や病原菌との戦い、激動の20世紀がまもなく幕を降ろし、いよいよ21世紀が開幕します。 |
5.21世紀の建設技術の課題 |
低迷する日本経済の長期化に伴い、その刺激材料としてバブル経済期に取りざたされた超超高層建築にもう一度光を当てようとする動きがあります。しかし、 |
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