■BSL杭頭免震構法の基本思想と特長
 
免震構造の2大コストアップ要因を解消
1.免震装置費の大幅低減 → 従来装置の半額! 

2.基礎工事費の大幅削減

 ・2重基礎の解消 → 基礎躯体費半減

 ・根切り底大幅up → 土工事の大幅削減

 ・杭の経済設計  → 最小断面・最小配筋可能

→ 高性能免震が、在来構造よりも安く実現可能!

免震性能・安全性能は従来免震以上

1.建物の高性能・高安全設計を積極支援

2.許容変位量は設計者の希望どおり

3.杭体も完全保護 → 経済設計+安全確保

BSL免震装置は、高機能・高性能・高信頼性
1.地震時杭傾斜を吸収 抜群の回転性能
 ・許容回転角 θ=1/15(rad)
 ・回転剛性≒ゼロ(完全ピン)
2.抜群のすべり性能
 ・標準摩擦係数 μ≒0.03〜0.04
 ・高い耐摩耗性能 M8地震何回でもOK
  面圧20N/mm2 すべり量100mでも摩耗なし
3.メンテンスフリーで高耐久性
 ・塩水噴霧試験5000時間! 抜群の耐久性能確認
  
  (在来免震)  (BSL杭頭免震構法)
根切り底が浅くなり、
掘削量・土工事が大幅削減されます。
 
杭にはP−δモーメントが作用しません。
(P−δモーメントは躯体側地中梁で負担)
杭は最小断面・最小配筋でも設計可能

 ■「回転機構+すべり機構」の直列により、地震時杭傾斜に完全対応した「杭頭免震装置」!です
 

 ・軸力3000トンでも完全ピンを提供できる「杭頭回転機構」の上部に、摩擦係数μ=0.03〜0.04の

  最適摩擦の「すべり機構」を配置しています。

 ・地震時に杭が傾斜しても、すべり面は全面接触条件を維持して安定したすべり性能を発揮します。

 ・杭にはすべり摩擦力以上の地震力が伝達されません。杭への水平力は、支持荷重の僅か3%!

  杭は最小断面・最小配筋で設計可能です。経済設計と耐震安全性確保を両立できます。

 ■「免震装置」としても「杭頭接合装置」としても、自由に使用できます
 
・本装置は、
  1.免震装置としての免震材料大臣認定(認定番号:MVBR-0248)  および
  2.杭頭接合装置としての(財)日本建築センターの一般評定(BCJ評定-FD0074-02)
 の両者を取得しています。
・本装置は、さまざまな使い方が可能です。
  1.基礎免震装置、中間階免震装置 ・・・(一般的な免震装置の使い方)
  2.柱頭免震装置 ・・・・・・・・・・・(柱頭部のつなぎ梁が不要です)
  3.杭頭免震装置 ・・・・・・・・・・・(杭頭部地中梁が不要です)
  4.杭頭接合装置 ・・・・・・・・・・・(耐震構造としての使い方)
       杭頭接合装置の一般評定書
免震材料の大臣認定書

 ■BSLの構成
 
・本装置は、スライダー本体とすべり受材(すべり板部分)の2部分より構成されています。
 1.すべり受材
  ・上部基礎フーチングの底面に固定されるすべり板で、表面のすべり板とその裏補強板で構成されています。

  ・すべり板には、表面をフッ素コーティングしたステンレス鋼板を採用しています。

  ・すべり板の大きさ(すべり変形量)は、設計で指定できます。
 2.スライダー
  ・すべり板の相手材となるすべり材、回転機構部を構成している凹部材と凸部材、凹凸両部材間の
   クリアランス、およびクリアランス充填材(発泡材)より構成されています。
  ・スライダー本体の凹凸両部材にはダクタイル鋳鉄(FCD500:降伏点≧320N/mm2、引張強度≧500N/mm2)、
   すべり材にはポリアミド樹脂を使用しています。
  ・凹凸両部材間のクリアランスにより、回転変形角θ=1/15〜1/16(rad)、水平可動距離δH≒12〜20mm
   の変形を可能としています。
 
 
 
 ■BSLの原理
 
 1.地震時杭傾斜への対応
   ・杭は、地震時には地層の強制変形および上部建物からの水平力を受けて傾斜します。
   ・すべり材を杭頭上面に直結すると、杭頭の傾斜によりすべり面の全面接触条件が崩れます。
   ・杭が傾斜しても免震装置のすべり面を水平に保持できる方策として、杭頭完全ピンを実現できる杭頭
    接合装置「BP-CAP」用に開発された回転機構部を、杭頭とすべり機構部の間に導入しました。
   ・この回転機構は、マクロな観点で杭頭接合部を点接触機構として回転自由にするもので、その接触部
    を凹凸両球面で構成しています。上部基礎側を下向きの凸部材(先端の曲率半径をr)、下部杭側を
    上に開いた凹部材球面(曲率半径をR)とし、両者の曲率が大きく異なる(r<<R)2球面の接触機
    構としています。
 2.大きな鉛直荷重支持への対応
   ・接触部をミクロな観点では面接触条件とすることにより、ヘルツの接触条件を緩和して荷重支持力を
    高めながら、且つ接触面での球体の転がり回転運動機構を実現しています。
 3.地震時の完璧な作動
   ・この回転機構により杭体の傾斜を吸収できる(回転角θ=1/15(rad)までOK)ため、すべり面は常時
    平行で、地震時に杭が傾斜しても全面接触条件を維持しながら正常に滑動することができます。
 
 
 
 ■BSLの特長
 
 ●効率的な荷重支持、大荷重支持が可能
  ・標準面圧20N/mm2のすべり支承により、鉛直荷重支持を効率的に支持します。
  ・長期荷重=3,000トンまで支持可能です。
 ●最適のすべり摩擦係数を採用しています
  ・すべり摩擦係数は、μ≒0.03〜0.04です。
  ・杭に伝達される水平力は、杭の「耐震設計不要」のレベルであり、且つ
   免震装置としての「エネルギー吸収(ダンパー)機能」を負担できる最適レベルになっています。
 ●高性能+品質の安定性・信頼性の高さ
  ・単純明快な機構で、地震時には確実に性能を発揮します。
  ・製造には高い品質管理を行っています。
 ●メンテンスフリーで、高い耐久性
  ・M8地震を何回でも許容できる超高耐摩耗性(すべり量100mでも摩耗なし)
  ・塩水噴霧試験5000時間でも劣化なし(溶融亜鉛めっきでさえ1000時間でギブアップ)
 ●抜群の経済性
  〇基礎構造躯体:2重基礎不要! → 基礎躯体低減+掘削土工事低減 → 工期短縮
  〇装置費:従来免震装置の半額!
  [結論] よって、「在来構造よりも安い!」コストで、「高性能免震」を実現できます!!!

 
 ■実験データ 3000トン!まで性能確認
 
 ●載荷荷重Pv=30,000kNまでの実大装置実験により、
  ・鉛直荷重支持性能
  ・回転変形性能
  ・水平すべり性能
  ・基本性能値(水平剛性・鉛直剛性・回転剛性・すべり摩擦係数)
  等が確認されています。
 
 ●すべり性能は、
  ・連続繰り返し試験80サイクル、すべり変位量100mで摩耗および性能変化はなく、
  ・片振幅最大すべり量1600mmまで、
  正常に作動することが確認されています。
  
 ●BSL-400T試験状況
 
 
 
 ●BSL-1800T試験状況
BSLの性能確認試験
 
  
 ■BSL製品メニュー
 
 1.支持荷重への対応
   ・BSLは支持荷重に応じて、下記の7サイズが用意されています。
   ・200トン以下の小荷重から長期最大荷重3000トンまで、全荷重領域に対応できます。
 2.すべり変位量への対応
   ・すべり変位量は、設計で自由に指定できます。(装置費には影響します)
 3.納期は、発注後最低2ヶ月は確保してください。
   ・大型物件の場合は、鋼材状況の逼迫により6ヶ月前後必要になる場合がありますので、
    できるだけ早くご確認下さい。
 

呼 称 (略 BSL-)
120T
240T
400T
600T
900T
1200T
1800T
2400T
標準荷重 (kN)
1,200
2,400
4,000
6,000
9,000
12,000
18,000
24,000
基準面圧 (N/mm2)
20
20
20
20
20
20
20
20
圧縮限界強度 (N/mm2)
100
100
100
100
100
100
100
100
許容すべり変位量 (mm)
*1)
*1)
*1)
*1)
*1)
*1)
*1)
*1)
許容回転変形量 (rad)
1/20
1/20
1/20
1/20
1/20
1/20
1/20
1/20
スライダー 外径 (mm) *2)
440
560
660
850
1,000
1,150
1,400
1,600
スライダー 高さ (mm) *2)
260
325
355
435
500
540
620
700
スライダー 重量 (kN) *2)
1.5
2.2
3.7
7.1
11.4
17.2
28.9
36.2
すべり板  寸法 (mm) *3)
1380
1500
1620
1740
1860
2000
2160
2300
すべり受材 重量 (kN) *3)
6.1
7.1
8.1
9.2
11.5
14.0
16.5
18.5
  *1) すべり板の大きさにより自由に設定可能
  *2) すべり受材を除いたスライダーの数値
  *3) 標準仕様(すべり量±550mm)の数値
 
 
 ■BSL免震の使い方は多種多様!
 
  ・BSLには様々な使用方法が考えられ、多様な免震建築の実現をサポートします。
   これまでにない斬新な免震建築の出現が期待されています。
 
●杭頭免震
●柱頭免震
●中間階免震
 
●基礎免震(上向きすべり)
●基礎免震(下向きすべり)
●直接基礎免震(下向きすべり)
 
 
 
 ■BSLの施工方法
 ●施工方法(BSLの据付方法)には、種々の方法が考えられます。大いに創意工夫を凝らして
  ますます合理的な施工方法へと進化することが期待されています。
 ●標準的な施工手順は、以下のような方法です。
   1.場所打ちコンクリート打設後、杭頭部の余盛コンクリートを斫る
   2.装置据付け架台を設置し、装置を据え付ける(レベル・傾斜の微調整)
   3.杭頭コンクリートの型枠を設置
   4.杭頭コンクリートを打設
   5.すべり板受け型枠設置
   6.すべり板を設置(支保工で支持)
   7.上部基礎フーチング工事・・・・
 
1.杭頭の余盛コンクリートの斫り
2.装置据付け架台設置後に装置を据付け
3.杭頭コンクリート型枠
4.杭頭コンクリート打設
5.すべり板受け型枠設置
6.すべり板設置